ご自身の義歯に、満足していますか?
義歯(入れ歯)安定剤の日本国内の売り上げは、年間120億円を超えています。この数字から見ても、義歯の付け心地に悩んでいる人が非常に多いことは明らかです。
精密義歯なら、隙間なくフィットし、毎日の食事がより快適に楽しめるはずです。
精密義歯とは、自費治療で製作するオーダーメイドの義歯を指します。
通常の義歯(入れ歯)は保険治療が適用するというメリットがありますが、歯肉の痛みや異物感、話しにくい、食べかすが残ってしまう、審美的に満足できないなどのデメリットに悩まされている人が多いのも事実です。
しかし精密義歯なら、保険治療では使えない材料や薬、器具を用いることが可能で、隙間なくお口にフィットする義歯を、患者様一人ひとりに合わせて製作することができるのです。
義歯だということを忘れてしまうほどの安定感と優れた審美性が、精密義歯の特徴だと言えるでしょう。
当院で取り扱いのある精密義歯・特殊義歯を紹介します。
金属床義歯は、主要部分を金属で作った耐久性の高い精密義歯です。保険治療でよく使用されるレジン(プラスチック)で作った義歯と比べ、薄いので違和感がありません。また、食べ物の温度が伝わりやすいため、食事を美味しく楽しむことができます。金属部分は汚れにくいので衛生面にも優れており、清潔で美しい状態を保ちやすいことも特徴です。
ノンクラスプ義歯とは、金属のバネを使わない精密義歯です。バネがないことで締め付け感のない快適な装着感を実現しており、義歯に慣れていない方にもおすすめです。また、歯ぐきと同じ色の樹脂を使用するため、目立ちにくく審美性が高いことも特徴です。
金属床義歯と比べると耐久性には劣りますが、その分価格がお求めやすくなっています。
アタッチメントとは、義歯を固定させるために使う強力な磁石です。義歯を近づけるだけで所定の位置に吸い寄せられ、簡単に装着や取り外しが可能です。針金状のバネがないため、口の中で義歯がカタカタ動く心配がなくなり、思う存分に食事や会話を楽しむことができます。
精密義歯はメリットが多いものの、デメリットもあります。
保険の制約がないので、口を開けた時に見えにくい部分に金属を使用したり、安定感が高まる接着方法を選んだりすることができます。優れた耐久性と同時に、使用感や審美性が保てることも、素材に制限がない精密義歯のメリットです。
歯の部分の素材にも保険の制約がないため、通常のレジン(プラスチック)ではなくセラミックを使用することができます。耐久性に優れているだけでなく、自然な色が変色しにくいことが特徴です。
精密義歯は保険の適用範囲外なので、全て自費治療となり費用が高くなります。
付け心地や噛み心地が優れている精密義歯も、違和感がゼロというわけではありません。カウンセリングの際には、ご自身の予算や好みに合わせて、付け心地に満足できる種類を選択しましょう。
精密義歯のメリット・デメリットについては解説しましたが、実際に歯を失った際の選択肢である保険の義歯やインプラントと比較してみましょう。
比較項目 | 保険の義歯 | 精密義歯 | インプラント |
---|---|---|---|
費用 | 低額 | やや高額 | 高額 |
治療期間 | 短い | 3ヶ月ほど | 3ヶ月以上 |
付け心地 | あまり良くない | とても良い | 非常に良い |
外科処置の有無 | なし | なし | あり |
審美性 | 悪い | とても良い | 非常に良い |
取り外し | できる | できる | できない |
耐久年数 | 短い(3年前後) | 長い(10年前後) | 長い(10年〜15年) |
精密義歯は保険治療の義歯と比べて費用が高額になりますが、全ての面において保険の義歯よりも優れていることがわかります。耐久年数も精密義歯の方が数倍長いので、最初こそ費用がかかるものの、数年ごとに作り替える必要がありません。
また、精密義歯はインプラントと比べると付け心地や審美性は多少劣るものの、外科処置が不要であるため、インプラントと比べて患者様の負担が少ないと言えます。
当院では、調節性咬合器を使用した精密義歯の製作を行っています。
咬合器とは、模型状で顎運動や咬み合わせを再現することができる機器です。患者様それぞれの顎や関節の位置を正確に測定し、この調節性咬合器に移行します。咬合器の調節目盛りを一人ひとり丁寧に設定することで、装着に違和感の少ない快適な精密義歯を製作することが可能です。