

2025年4月17日
みなさん、食事を楽しむとき、食材によって様々な「歯ごたえ」を感じていると思います。
この「歯ごたえ」ですが、どこで感じているのか考えたことはありますか?
歯や歯ぐき、歯の神経、あるいはあごの骨でその感覚を作り出しているようにも思えますが、実はこれらの中のどれでもありません。
歯ごたえは、歯とあごの骨をつなぐ「歯根膜(しこんまく)」という組織で感じています。
歯根膜の厚さは、たったの0.3mmほど。
お札1枚の厚さが0.1mmなので、お札3枚分の厚さに相当します。
こんなに薄い歯根膜ですが、実は次のような役割を持っています。
食事中、噛むたびに歯にはとても大きな力がかかります。
歯根膜にはその力をクッションのように吸収・分散するはたらきがあり、歯や周囲の骨をしっかり守ってくれています。
かたいものを噛んでも、安心して食べられるのは歯根膜のおかげなのです。
歯根膜には噛んだ物の「かたさ」や「感触」といった微妙な刺激を感じ取るセンサーのはたらきがあります。
おかげで、きゅうりのポリポリ感や天ぷらのサクサク感など、さまざまな食感を楽しむことができるのです。
さらに、食品のかたさに合わせて噛む力を調節する役割も担っています。
ここで知っておきたいのは、歯根膜は一度失ってしまうと元に戻らないということ。
むし歯や歯周病などで歯が抜けた場合、歯根膜も一緒に失われ、たとえ入れ歯やインプラントで歯を補ったとしても、あの独特の「歯ごたえ」はもう戻りません。
だからこそ、日頃から自分の歯を大切に守ることが非常に重要です。
定期的な歯科医院でのお口の状態のチェックとプロによるクリーニングで、健康なお口をキープしましょう。