

2025年4月10日
汗をかく季節になると体のニオイが気になるもの…
でも、気にすべきニオイといえば、「体臭」以外にもありますよね?
そう、『口臭』も気にすべきニオイのひとつです。
「たかが口臭」と思われるかもしれませんが、なかなか消えない口臭の背後には、深刻な病気が潜んでいる可能性があります。
今回は、2種類の口臭と口臭予防のためのケアについてご紹介します。
朝起きたときにふと自分のお口のニオイが気になった経験、ありませんか?
これは、睡眠や空腹、緊張などでだ液の分泌量が一時的に減少することで、お口の中の細菌が増殖し、口臭の原因である揮発性の硫黄化合物(硫化水素)がたくさん生成されるためです。
硫化水素は、野菜や卵が腐ったようなニオイを発し、悪臭と言われることがありますが、これが「生理的口臭」の正体です。
しかし、生理的口臭は誰もが持っている口臭です。
そのニオイの強さは人によって違うものの、食事や歯みがきをすることで弱まります。
また、女性はホルモンの影響で生理的口臭が強くなることもありますが、一時的なものであればあまり心配する必要はありません。
生理的口臭とは違い、治療が必要な「病的口臭」も存在します。
病気が原因で発生する口臭は、放置すると健康への影響が懸念されます。
病的口臭の主な原因は以下のとおりです。
歯周病は細菌感染によって引き起こされる疾患で、その原因となる細菌は、悪臭の元となる硫黄化合物(メチルメルカプタン)を生成します。
代表的かつ強力な歯周病菌であるP.g菌は、歯周ポケット内に漏れ出す血液成分の鉄とタンパク質をエサにして爆発的に増殖しながら、大量のメチルメルカプタンを発生させるので、進行した歯周病の場合は独特の強い口臭がします。
むし歯が進行すると歯に穴が空き、重度のむし歯の場合では神経が腐敗してしまうケースもあります。
そうなってしまうと、穴に詰まった食べかすや神経が腐敗した強烈なニオイが発生してしまいます。
舌に付着している白っぽい汚れは、細菌のかたまりである場合があり、これを「舌苔」と言います。
舌苔を放置しておくと、病的口臭は悪化していきます。
なお、これらの中で病的口臭の原因No.1として考えられるのは歯周病です。
歯周病は悪臭の原因になるだけでなく、進行すると最悪の場合、歯を支えている骨が溶かされてしまうこともあります。
口臭の原因には様々なものがあり、全身の病気が関係している場合もありますが、その原因の8割以上はお口の中にあると言われています。
だからこそ、口臭を改善するためには、日々のお口のケアが重要です。
まず重要なのはご自宅でのブラッシングです。
歯ブラシだけではなく、フロスやタフトブラシなども併用し、お口の中の汚れをしっかり落としましょう。
そして、定期的な歯科検診も欠かせません。
歯周病やむし歯などの早期発見につながる検診は、健康なお口を維持するための大切な習慣です。
ご自宅でのセルフケアと私たちが行うプロフェッショナルケア、この2本の柱で口内環境を整えることで、お口のトラブルを未然に防ぎましょう。