安心安全な歯科治療を提供するためには、使用する器具や器材は、すべて無菌状態である必要があります。
この無菌状態を作るためのシステムのことを、滅菌システムと言います。
滅菌とは、病原体、非病原体を問わずに、すべての細菌やウィルスなどの微生物を死滅させることです。
日本薬局方では、微生物の生存する確率が100万分の1以下になることを滅菌の定義としています。
安全な歯科治療を行うためには、感染予防対策が不可欠です。
そのため、当院では世界最高峰のクラスBのオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)を導入しています。クラスBは、徹底的な空気除去による真空状態で滅菌処理を行うため、さまざまな形状の器材を滅菌することが可能です。
一般歯科器具はもちろんのこと、タービンハンドピースや衣類に至るまで、さまざまな器材の完全滅菌を行っているため、安心して治療を受けていただくことができます。
滅菌器は、以下の3種類のクラスに分類されています。
当院では、器材の種類や用途に合わせてクラスNとクラスBの滅菌器を使用しています。今後はクラスBの滅菌器が世界標準になると考えられています。
こちらは、滅菌用包装がされていない固形器具が対象で、袋詰めされた器具や複雑な中空構造を持った器具の滅菌は、100%行うことができません。
また、滅菌後はすぐに使用する必要があり、保管はできません。
こちらは、メーカーが指定した特定の器具(タービンハンドピースなど)の滅菌にのみ使用することが可能です。
こちらは、大型滅菌器の規格に準拠したもので、すべての種類の器具を滅菌することができます。器具の形状や滅菌包装の有無を問わないトップレベルの滅菌器です。
実際に器具を滅菌する際の流れは、下記の通りです。
治療に使用した器具は、使用後なるべくすぐに洗浄・消毒します。洗浄に不備があると、タンパク質の汚れが残ってしまうため、微生物が残ってしまいます。滅菌効果を発揮させるためにも、洗浄は適切に行う必要があります。
洗浄した器具を専用のパックに包装します。
滅菌器に包装した器具をいれます。
密閉された器機を高温の水蒸気で満たし、高圧下で滅菌します。
歯科治療では、さまざまな器具を使用します。治療には出血を伴うことが多いため、滅菌システムが整っていないと院内感染のリスクが非常に高くなります。
当院では、院内感染のリスクを回避するため、上記の滅菌システムの他にも徹底した衛生管理を行なっています。
感染予防のため、空気清浄機を完備しています。
市販の置き型タイプの約10倍の空気洗浄能力があり、歯科特有の匂いや埃も分解・除去することができます。
インプラントや再生治療に使用される手術室は、感染予防のため個室になっており、一般の診療空間からは隔離されています。
歯科治療には水を使用するため、除菌・洗浄効果のある電解水を生成することができる機器を完備しています。